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練習問題

1.この教科書紙面を縮小加工して授業で学習者に提示する授業資料もしくは自分のノート紙面を作ってみよう。

電気回路を設計するということは,どのようなことか

目的に応じた電気回路が,種々研究され定番的な回路として公開されている。電気回路の設計者は,それらの定番的な回路を組み合わせて,必要な動作を実現することになる。しかし同じ回路であっても,どの部分にどのような電気エネルギーを与えるのかは回路の目的によってさまざまである。

 例えばLEDを光らせる回路は,LEDとLEDを流れる電流が大きくなりすぎないように電流量を調整するための電気抵抗を直列接続する回路しかない。LEDの種類や形式によって,光るために必要な印加電圧は異なる。またLEDを光らせる目的が,電源がONであることを示すためであれば数ミリアンペア程度の電流で充分であるが,TVなどの赤外線リモコンのための赤外線LEDであれば遠くまで届く強い光を出すために瞬間的に1アンペア程度の電流を流す必要がある。このため電気回路を設計する者は,目的や条件に応じて回路の電気抵抗の適正値を決めることになる。これが電気回路の設計である。

 実際の電気回路はLEDと抵抗器一つだけのように単純なものは少なく,複数の電源や大量の抵抗器やコイル,コンデンサーなどで複雑に構成されている。電気回路を設計するためには,後述するKCL,KVLによって電流とインピーダンス,電流とインピーダンスと電圧の関係式を作り,それらの関係式を連立方程式として解く能力が必要である。

キルヒホッフの法則

キルヒホッフの電流則(KCL)

キルヒホッフの電流則(Kirchhoff's current law : KCL)は,キルヒホッフの第一法則とも呼ばれる。これは,回路網の任意の接続点Aに着目して,Aに流れ込む電流の総和と流れ出る電流の総和が等しくなることを表している。

流れ込む電流を Iin 1Iin 2,,, Iin N, 流れ出る電流をIout 1Iout 2,,, Iout M とすると以下となる。 j = 1 N I in j = k = 1 M I out k あるいは,流れ込む電流を+,流れ出る電流を-として取り扱えば,以下の表現となる。 j = 1 N I in j + k = 1 M I out k = 0

キルヒホッフの電圧則(KVL)

キルヒホッフの電圧則(Kirchhoff's voltage law : KVL)は,キルヒホッフの第二法則とも呼ばれる。これは,回路網の任意の閉回路に着目して,閉回路を一周する間にある起電力の総和と電圧降下の総和が等しくなることを表している。ここで言う任意の閉回路とは,「網目のマス目の穴ひとつならどこを選んでも良い」ということになるが,それだけではなく「網目のどの糸をどのようにたどって何マス分を選んでもいいが,網目を辿って元の場所に戻る経路を一周する道のり」という意味である。

閉回路に沿って存在する起電力をV1V2,,,,VN,閉回路に沿って存在するインピーダンスをZ1Z2,,,,ZM,各インピーダンスを流れる電流をI1I2,,,,IMとすると,以下のように表される。 j = 1 N V j = k = 1 M Z k I k